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【改訂版】朝ドラ「あまちゃん」私考 最終回を迎えて

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2013年9月28日に無事、「あまちゃん」は最終回を迎えました。「朝ドラ「あまちゃん」私考(追加あり)」の予想は果たしてどこまで的中したのか。あまちゃんフォーエバーの気持ちを込めて、最終回を迎えた9月末に確認しました。

参考にした本:
能年玲奈 宮藤官九郎『あまちゃんメモリアルブック NHKウイークリーステラ臨時増刊10月30日号』(NHKサービスセンター 2013-09-18)
B00EDYWDC2

予想通り、北鉄の運行が再開

2013.8.25に仮説をたてた通りに、最終回の前半は一回目に登場した北鉄開通の場面(1980年代)を連想させる、2012年7月1日の再運行となりました。

北三陸駅・ホーム

字幕『2012』

功 「昭和59年の開通から28年、市民の足として走り続けて北鉄が今日! 復活します!

(『NHK連続テレビ小説「あまちゃん」完全シナリオ集 第2部』第156回 p.697より引用)

最終回の時点ではまだ終点までは運行できず、途中までの運行再開でした。ですが、足立ユイに向かって言った「来年、再来年はもっと先まで行ける」という天野アキのセリフに物語の未来が語られている、と思いました。

畑野駅(夕)

ベンチに座って余韻に浸るアキとユイ。

(中略)

アキ「まだまだ完成しなくていいべ」

ユイ「明日も明後日もあるもんね」

アキ「んだ、明日も明後日も来年もある・・・今はここまでだけど、来年になったら、こっから先にもいけるんだ」

(中略)

二人、トンネルの置くを見つめる。

ユイ「行ってみよっか」

アキ「じぇじぇ!?」

ユイ「行こう、アキちゃん」

アキ「・・・・・・

(『NHK連続テレビ小説「あまちゃん」完全シナリオ集 第2部』第156回 p.702より引用)

ユイからアキを誘って「先に進もう」と声をかける場面は、最終回の中で最も感動した場面でした。家庭の事情や東日本大震災が起きて、地元で身動きが取れなかったユイ。

しかしアキと潮騒のメモリーズを復活させ、前向きな気持ちに切り替わっていったのが伝わり胸が熱くなりました。二人がトンネルの中を駆け抜けるシーンは青春の元気さ、さわやかさを感じました。

ユイはまだ地元・北鉄の範囲から出て行けているわけではない点に心配が残りましたが。

鈴鹿ひろ美がついに生歌を披露!

鈴鹿ひろ美は最終週で、ついに歌声を披露。

舞台では、ギタリストが『潮騒のメモリー』のイントロを弾く。袖幕に隠れ、マイクを握り歌い出す春子。

春子「♪来てよ その火を 飛び越えて・・・!?」

ようやくマイクが生きていない事に気がつく春子。

ステージから袖の春子を見ている鈴鹿。

鈴鹿「・・・・・・」

春子「・・・・・・(祈るような気持ち)」

鈴鹿「♪ア~イミ~スユー」

(中略)

鈴鹿、気持ちを落ち着かせ、完璧な音程で歌う。

(中略)

何も知らない観客はすっかり聞き入る。

かつ枝「さすがプロだな」

美寿々「んだ、紛れもなく鈴鹿ひろ美だ」

(『NHK連続テレビ小説「あまちゃん」完全シナリオ集 第2部』第156回 p.680より引用)

 

北三陸のリサイタルにおいて”自分の声で歌う”という念願を叶えました。「潮騒のメモリー」の音程が完璧に合いました。しかもオペラのように美しく壮大な歌になりました。音程の件はたまたま正確にあったのか、それとも音痴のふりをしていたのか。

春子「・・・プロだわ」

人一倍大きな拍手を送るアキ。

アキN「果たして本当に猛練習の成果なのか。たまたまの大当だりが、あるいは元々歌える人だったのが・・・

真相は本人にしかわかりません・・・

とにがくチャリティーリサイタルは大盛況」

(『NHK連続テレビ小説「あまちゃん」完全シナリオ集 第2部』第156回 p.686より引用)

鈴鹿ひろ美は音痴なのか、実は歌がうまかったのか。ドラマ内では明確に示されませんでした。真相はわかりません。長年、鈴鹿ひろ美の歌の影武者として日陰だった天野春子も、過去に消された姿・自分・歌声を取り戻すことができました。

母娘三代にわたった一代記は、それぞれの過去の無念・挫折を最終週で解消し、リスタートを切る所で終わりました。

最終回の後の、紅白歌合戦で第157回目が!

しかし年末の紅白歌合戦で驚くべき事が起りました。「あまちゃん」第157回が本編と同じ15分間、放送されました。ユイちゃんが東京のNHKホールでアキちゃんと歌唱することができたのです。バーチャルとリアルの交錯によって、ユイの夢が叶いました。感激しました。

ドラマ本編の最終回(第156回)では、ユイ地元から出られないままバッドエンドになる含みが残っていました。しかし紅白歌合戦という場で、ユイが自ら? 呪縛を破ることができました。

しかも春子(小泉今日子さん)も鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子さん)とともに「潮騒のメモリー」を人前で歌うというサプライズ。春子が背負ってきた影武者の呪縛が、リアルな場でも解消されるという劇的な一夜でした。

参考:【Amazon.co.jp 限定】ミニ・ノート付~薬師丸ひろ子セレクション・カバーアルバム 時の扉
薬師丸ひろ子
B00G1VTFJY
EMI Records Japan 2013-12-04

私がいちばん大好きなミズタクこと水口琢磨(松田龍平さん)や荒巻太一(古田新太さん)が登場しなかったのは非常に残念でした・・・。お二人ともバラエティには登場しないイメージですから、紅白歌合戦という場には出たくなかったのかもしれません。

紅白歌合戦はリハーサルに数日掛けるほど、手間がかけられた番組だそうです。既に何かの撮影が決まっていてスケジュールが合わなかったのかもしれません。

とはいっても、「ミズタクも太巻きさんも、二人とも裏方さんだから、紅白歌合戦のステージの袖にハラハラしているんだろうな」と思うと、本当にいるような気になります(笑)。

おわりに

登場人物はそれぞれ過去の無念を乗り越えて、”自己再生”を果たすことができました。そして紅白歌合戦で天野春子(小泉今日子さん)と鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子さん)が生歌を披露してくれました。影武者として人前で謡うことができなかった春子の無念も晴らされたのです。

薬師丸ひろ子さんは「セーラー服と機関銃」がヒットしたとき、大学受験を理由に紅白歌合戦の出場を辞退。その後も歌手として紅白歌合戦に登場することはありませんでした。薬師丸さんが生放送の場で歌唱を披露したことも、過去の因縁を晴らす展開となりました。

ドラマと現実が交錯し、それぞれの過去の無念さ・因縁が解消される展開は、実に見事なドラマでした。

追記(2013年12月10日)

宮藤官九郎さんの脚本が11月から12月にかけて紙の本と電子書籍で順次、発売されています。物語の未来については宮藤さんと井上剛さん他、演出家の皆さまの解釈の差を見比べると面白いのではないでしょうか。

参考文献:

編集履歴:2013.12.10 0:01 追記の部分と足立ユイという単語と句点を部分的に加筆しました。同日0:06に見出しを追加しました。この記事は2014年1月29日23:14に内容を非表示にしました。「考察を出版してはどうか」という話が出ているためです。出版が決まり次第、詳細をお知らせします。どうぞ、よろしくお願い致します。2015.3.31 15:53 記事をITmediaオルタナティブ・ブログから、iPhone&iPadアプリナビに移動しました。2015.10.01 22:20 冒頭の二文目に「の予想」、三文目に「あまちゃんフォーエバー・・・」を追加。本文から「筆者は」を削除。「鈴鹿ひろみ」→「鈴鹿ひろ美」に修正。「北三陸駅・ホーム」から「リアルな場でも解消されるという劇的な一夜でした。」を加筆。2015.10.02 21:35 題名に【改訂版】を追加。本文に「舞台では、ギタリストが・・・」の引用文、「鈴鹿ひろ美は音痴なのか、・・」を追加。見出しの「2013.12.10 0:00」を漢字表記に変更。本文に「ついに」を追加。「北三陸のリサイタルにおいて」の位置を次の文章とと合体。見出し「最終回の後の、紅白歌合戦で第157回目が! 」を追加。「勘当」→「感動」に修正。同日23:05 「私がいちばん大好きなミズタクこと・・・」から(笑)までを追加。同日23:26 「そして紅白歌合戦で天野春子(小泉今日子さん)と鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子さん)が生歌を」から「因縁が解消される展開は、実に見事なドラマでした。」までを追加。2015.10.29 0:02 見出し「おわりに」を追加。「最終回の後の、紅白歌合戦で第157回目が! (追記 2015年10月1日~2日)」の見出しと本文を、「鈴鹿ひろ美と天野春子の歌声」の前から「おわりに」の前に移動。見出し「最終回の後の紅白歌合戦で・・」から(追記 2015年10月1日~2日)を削除。見出し「北鉄の運行が・・」の前に「予想通り、」を追加。見出し「鈴鹿ひろ美と天野春子の歌声」から「鈴鹿ひろ美がついに生歌を披露!」に修正。

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